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4 演奏のポイントは?
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4.1 木管楽器編
木管楽器に限りませんが、この曲は音楽の表情によって音域を調整しています。つまり激しく大音量になる所は鳴らしやすい音域を、やさしくひっそりした所は柔らかい音のでる音域を選んでいます。逆に考えると大きい音の鳴らないところは大きい音が必要ないところです。そして鳴りやすいところは聴こえていいところです。もちろん、このように単純に言い切るのもどうかと思いますが、このことを頭のどこかにしまっておけば迷った時に何かの指針になるかもしれません。
冒頭は動きが細かいですが、見た目ほど難しくはないと思います。まずはゆっくり均等に指をまわし、音にムラができないように練習しましょう。普段からスケールなどを丹念に練習している人は初見でもいけるはずです。
[A]からのファゴット、アルトクラリネット、バスクラリネットは一見伴奏のように見えますがどちらかというとオブリガートと言えます。 ぜひメロディとして歌い込んでください。
[B]2小節前からのリズムは付点が短くならないように気をつけましょう。 真ん中の十六分音符をなくしたリズム(つまり[E]小節目のフルートのリズム)で練習してそれから十六分音符を裏拍の八分音符に付く装飾音符だと思って演奏するといいかも知れません。 [E]以降のリズムも同様です。
[C]4小節目のクラリネットソロのテンポは吹きやすい速さでよいと思います。 すごく速くてもいいしすごくゆっくりでもいいし。 ただクレッシェンドは次のtuttiに向かって十分にしてください。 たぶんほとんどのバンドでは4〜5人でtuttiを演奏すると思いますのでその音量につなげるつもりで。 直後のpiùフォルテは「さらに大きく」という意味です。
[I]3小節目からのバスクラリネットとファゴット、バリトンサックスではアーティキュレーションが違います。 テューバのパッセージから続けてレガートでのぼる部分ですが、リズムが不明瞭にならないようにするためそれぞれのパートが違う場所でタンギングをするようになってます。 レガートでありレガートでない微妙なバランスに気をつけてください。
[L]からの高音木管は次の小節のフレーズに対するアウフタクトだと思ってください。 無神経に演奏すると次との間に隙間が空いてしまいます。
[M]のクラリネットは1拍早く出ますので数え間違えないように。 このパッセージも全てのパートがメロディのつもりで歌ってください。
[M]9小節目からのピッコロ、フルート、オーボエ、Esクラリネットは音量を押さえようとするよりも響きの方を大切にしてください。
4.2 金管楽器(コントラバス)編
金管楽器は金管アンサンブルとしてのサウンドが一番大切です。 音の出し方から表情の付け方までお互いが意識しあって練習に臨みましょう。
冒頭4小節目のホルンは丁寧に発音してから落ち着いてクレッシェンドしましょう。 全部で6回あるアタックのうち5回は実音Cで始まるのでこの音に焦点をしぼって美しいアタックをマスターしましょう。 ここは全員で同じことを吹くのでビビる必要はありません。 もちろんピアニッシモではないので縮こまる必要もありません。
[A]1小節前のトランペットは全員が同じ音で始まるので丁寧に確認しあうつもりで発音しましょう。 その後は音が増えるのでやや大げさにクレッシェンドし、[A]の頭はまた柔らかく処理してください。 ここのつなぎ目がその後の雰囲気を作るので大事です。
[A]からのユーフォニアムは休符で始まりますがファゴット、アルトクラリネット、バスクラリネットと同じラインを演奏しているのでこれらのパートを意識しながらひとつの旋律線を作ってください。
[B]のテューバはフォルテピアノ、クレッシェンド、アクセントは出来るだけ大げさに。 サックスとのアンサンブルは耳だけでなく目も使って合わせた方がよいでしょう。 お互いに反対方向に向かって音を出しているので広いホールでは時差が生じるかもしれません。 目で相手を確認できる位置にいるテューバがより多くの情報を得られるはずです。
[B]8小節目は長三和音です。 直前の響きに左右されずに純正律を意識してください。
[C]6小節目のトランペットはクラリネットの補強です。 木管的な響きを壊さない程度に鋭さを添えてください。
[E]からのトランペット、ユーフォニアムはさっそく2小節目で木管楽器に主役の座を譲ります。 すぐに意識を切り替えバンド全体のコンビネーションを第一に考えましょう。 [E]9小節目のホルン、トロンボーンも同様です。
[G]9小節目からのトロンボーン、ユーフォニアムはブレスが続かないかもしれませんが目立たないようにであればブレスをとって構わないと思います(コンクールの規定のことはよく知りませんが見つからなきゃ無問題)。 その分、しっかりクレッシェンドして[H]の頭はフォルティッシモとメゾピアノ(微妙な設定になってますがピアノだと思ってもらっていいです)の音量の差をはっきりさせましょう。
[J]4小節前のトランペットとその他の金管では音量変化のパターンが違っています。 トランペットは4小節単位でクラリネットなどと同じグループ、その他は2小節単位で[L]2小節目からのフレーズの兄弟みたいなものです。 これは[C]の子孫でもあります。
[K]はホルンが通して旋律を演奏しています。 なので最初はトロンボーンとユーフォニアム、その後トランペットが受け継ぐということです。 全体の流れを考えて演奏しましょう。
[L]2小節目は直前の1/4の木管がアウフタクトだと思ってうまくつなげてください。
[M]のコントラバスのピッツィカートはひとつのメロディです。 大きい音を出す必要はないので十分に歌ってください。
ラスト5小節前からの八分音符は最高音に向かって強弱をつけてください。 トランペットのミュートはピアニッシモになってますが必要以上に押さえなくて大丈夫です。 ピアニッシモは絶対的な音量ではなく雰囲気、柔らかさなどを表しています。
4.3 打楽器編
この曲の打楽器パートは忙しいと思います(^^;) 人数に余裕があれば効率のいい分担と配置を考えてみてください。 少人数でも配置を工夫すれば演奏可能です。
鍵盤楽器は基本的に木管などに華をそえる役割なのでアンサンブルに気をつかいましょう。
[B]はそれぞれの拍の頭で叩きますがサックスなどのアンサンブルはそうとは限りません。 パート譜だけを見ていると惑わされて結局打楽器同士が乱れる元になります。 管楽器の動きも把握する必要があります。
[I]は大きい音は必要ないのでムダな動きをなくして軽やかに演奏して下さい。
[J]もシンバル、シロフォンは音量よりも重くならないことを優先した方がよいでしょう。 ティンパニとトムトムのソロはそれぞれ裏拍からスタートしますのでテンポ感を失わないように注意しないとその後が続かなくなっちゃうので気をつけましょう。
[K]直前はトムトムのリズムを基準に次のテンポに入ります。 もはや指揮をするつもりでテンポを示しましょう。
[M]のヴィブラフォンとグロッケンはひとつの楽器であるかのような演奏が理想です。 つまりグロッケンのメロディはヴィブラフォンのアルペジオの一番最後の音ということです。 なので双方が心を合わせてアンサンブルを作ってもらいたいです。