ホルンにおいて右手を使ってベルを塞いで音を出す奏法。ストップ、ハンドミュートとも。金属的な独特の音色になる。ただ手を突っ込むのではなく手のひらを使ってしっかりふさぐのがコツ。F管では半音、Bb管では3/4音ほど音程が高くなる。そのため普通F管の半音低いフィンガリングで演奏する。Bbシングルの楽器ではゲシュトップキーが付いているのでそれを押すと3/4音低くなり音程が修正される。しかし音程は音域や右手の微妙な位置によっても異なるので注意すべし。ミュートとは違うので注意！

ゲシュトップ奏法の指示は様々で文字による指示もあれば音符の上もしくは下に｢+｣とかかれることもある。通常の演奏法に戻すときは「o」と書かれるかopen、offen、ouvertなどと書かれる。また、｢+｣と指示された場合、次に何もかかれていない音は通常の演奏法に戻す。手の大きさや音域によってゲシュトップ奏法が困難な場合のためにゲシュトップミュートというものがあるが本当のゲシュトップとは若干違う。

｢＋｣記号の使用方法は作曲家によって違うことがある。ほとんどの場合はゲシュトップ奏法を表すが、まれにミュートを意味することもある。その見分け方は難しいが前後の関係(ミュートを取り付け、取り外しをする時間が考慮されているかなど)や他のパートとの関係(ホルン以外に同じ記号が使われていないかなど)、音楽の性格(どういう音色、音量が好ましいかなど)などを考慮して判断する。演奏者のセンスが問われる。あとは作曲者自身に聞くしかない。