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5 指揮のポイントは?


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5.1 思い切りの良さが

この曲はフォルテで始まります。そこには課題曲という性格上、演奏の前に必ず15分程度の音を出すことのできない緊張の時間があり、しかも音出しもせずすぐに本番に臨まなくてはならないという事情が考えられるからです。最初に音を出すパートは思い切りブレスをとって縮こまった体を解き放つのです。その時には演奏をリードすべき指揮者が率先してその空気をバンドに伝えなければいけません。ここを有効に使えるかどうかが演奏全体の評価を決めるといっても過言ではないでしょう。

その他にも急にフォルテになるような所は同じように指揮者がその勢いをバンドに伝える必要があります。思い切り腕を振り上げ士気を鼓舞しましょう。強弱がはっきりしている所は身振りでもはっきりさせましょう。それぞれの一拍前に示す必要があります。

5.2 テンポの変わり目

テンポが変化するポイントは全部で12ヶ所あります。課題曲としては多い方でしょうか。そのうち急に変化するのは9ヶ所です。その他の3ヶ所は事前にrit.やaccel.で徐々に変化ます。

急にテンポが変わる所ではそのほとんどがゆっくりなテンポから急に速くなります。そういう場合には(特に書かれてはいませんが)直前で少しだけ遅くしてから速いテンポに入ったほうがよいでしょう。例えば冒頭7小節目はpiù lentoからa tempoになりますが、a tempoが四分音符=112ca.なのでその直前は八分音符=112ca.ぐらいになるようにしましょう。なのでpiù lentoは四分音符=56ca.(八分音符=112ca.と同じです)より若干速いぐらいがちょうど良いことになります。そうすることによってa tempoの一拍前を八分音符2つで振ることで次のテンポをあらかじめバンドに伝えることが出来ます。

[A]の直前では1拍前のテンポが[A]からの付点四分音符になります。

[C]はritenuto(急に遅く)です。よくritardandoと勘違いしている人がいるのでご注意!

rubatoのクラリネットは自由なテンポでよいのですが、最初の小節の付点四分音符、次の小節の付点四分休符はフェルマータのつもりで十分に間をとってください。

[K]の直前はトムトムの八分音符2つが次の四分音符になるように。

[L]の直前は少し間があってもよいかもしれません。1/4は次のフレーズのアウフタクトです。ひとつの流れに聴こえるように注意しましょう。