最果ての城のゼビア ~知られざるもう一つの世界~ 《絶賛配信中!》

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交響曲(第1番) 変ホ長調 K.16 曲解説

では曲の内容を見てみましょう。

第1楽章

原始的なソナタ形式変ホ長調モルトアレグロ

まずは提示部テュッティユニゾンをフォルテで印象付けた後、一転してピアノの全音符でハーモニーを聴かせるという対照がおもしろい第1テーマです(譜例1)。あまりにもシンプルですが、ここにはもうモーツァルトの天性の美的センスがつぼみを見せています。

譜例1


その後、オーケストラは第2テーマに向けて華々しく躍動し始めます。

属調変ロ長調転調した音楽は下方に向かって枝分かれしていきます。次第に厚くなりひとつの流れとなります。第2テーマです(譜例2)。

譜例2


提示部の最後はまたもやハーモニーとリズムの対照で聴かせます。ここではリズムはユニゾントリルとなり、ハーモニーは短い音でかわいく響かせます。

展開部はまず属調変ロ長調で冒頭のテーマを演奏します。次に平行調ハ短調になり…。その同主調ハ長調で活気を取り戻します。音楽は変ホ長調変ロ長調をすべるように駆け抜け、主調で第2テーマが再現されます。

あれ?第1テーマは再現されないの?そうです、完全な形では再現されません。もともと展開部は第1テーマとの違いはほとんどなく、ハーモニーの変化で音楽を進行させるというたいへんシンプルな手法です。ここで第1テーマを再現させてしまうと聴くのがめんどくさくなってしまいます。

第2テーマが再現されると最後は短い音のハーモニーとユニゾントリルをきっかけに主和音が鳴らされ幕がおろされます。

第2楽章

二部形式。ハ短調アンダンテ

この曲はほとんど常に3連符でリズムを刻んでいます。その下で低音楽器が2連符のメロディを演奏します(譜例3)。このかみ合いがこの曲の楽し みどころでしょう。

譜例3


ハ短調で始まりますが2フレーズ目にはもう平行調変ホ長調へと乗り換えています。せっかく短調にしたのにもったいない気がしますがこれが他の楽章との絆なのかもしれません。

後半はオーケストレーションが厚くなる以外はあまり変わりなく淡々とはじめられますが、すぐに調が移動してこんどは主調下属調、つまりヘ短調です。それはト短調を足がかりに主調ハ短調へと帰っていきます。

ちなみに前半、後半共に締めくくりに現れる3つのハーモニーは第1楽章で締めくくりに使われた3つのハーモニーの逆行形です。

第3楽章

原始的なロンド形式。変ホ長調プレスト

第1楽章と同じようにリズムとハーモニーで冒頭を印象付けます(譜例4)。

譜例4


このテーマを間に挟みながら流れていくのですが、その内容は非常に軽快で自由に展開していきます。

シンプルな曲ですが、少年モーツァルトの才能を知らしめるには十分な1曲といえるでしょう。



こんな曲です。一度聴いてみてください!

   



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