パート譜を作る
木管楽器だけで編曲してみるで作ったクレメンティ作曲「ソナチネ」作品36-1の木管セクション編曲のスコアからパート譜を作ります。
基本的にパート譜はファイルメニューからパート譜作成を選んでOKをすればいいんですが、何も考えずにそれをするとパート譜としては使い物にならないものになってしまいます。とはいってもどれだけ手をかけて設定をしてもまったくそのままで使えるパート譜になるということもまずないでしょう。そこでパート譜をつくるための注意点をおさらいします。
この譜面は何の設定もしないで作ったBb Clarinet 1のパート譜です。
この曲は短いのでこのままでも読もうと思えば読めますが、譜面が美しいかといわれれば非常に醜い、としか言いようのないものです。パート譜をできるだけ自動的に美しく作りたいならばパート譜を作る前に準備、設定が必要になります。
まず確認ですが、曲名や作曲者名はテキストではなく別に画像ファイルを用意してグラフィックで貼り付けること。右下のソナチネメイドのロゴも画像です。ページ数はFinaleの自動ページナンバー割付機能を利用するのでテキストで入力します。パート名もパート譜作成で自動で配置されます。画像を使う理由としては、パート譜を作った後にサイズや位置の編集に便利なのと、テキストはフォントによっては文字化けがありますし、思ったようにするのが難しいからです。最新ヴァージョンでは改善されていると聞きますが最初から画像を使えば例えばデザイン文字などオリジナルのタイトルロゴを付けることができます。使えるファイル形式はTIFFファイル、Windowsメタファイル、EPSファイルです。どれでもいいですが環境によってはうまく表示されないものなどありますので1度印刷までして確認してみてください。
曲冒頭の表情記号などの全パート共通で、しかもスコアには段上などまとめて表示される記号は配置のときにパート別表示リストをつくりスコアには任意のパートだけに、パート譜では全パートに表示されるようあらかじめ設定します。1.カッコ、2.カッコなどがある場合は反復記号の表示も確認してください。スコアでカッコを入力するとカッコは全てのパートに表示されるので普通は主要なパート以外は非表示にします。パート譜を作るときにそのままだとカッコが表示されないので各パートごとに設定を変更しなくてはいけません。面倒ですががんばります。スコアの段階で全表示にしておくのもよいかと。
小節ツールで小節の属性のオプション段の先頭小節にするはチェックをはずしておきます。スコアとパート譜では格段の小節数が違ってくるのでレイアウトに影響してきます。全小節選択で変更できます。小節番号はスコアではたいてい一番上のパートなど主要なパートにしか表示しませんが、パート譜では全てのパートに表示することも多いと思います。そうするとヘ音記号などとのバランスが意外に合わなかったりするのであらかじめ慎重に調整しておきましょう。
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