バルブ
金管楽器の音程を変える装置をバルブといいます。ほとんどの金管楽器に付けられていてその仕組みは基本はどれも同じです。管の中を流れる空気(音)を迂回させ結果的に管全体の長さを変化させて音程を変えます。バルブには主にピストンとロータリーがあってそれぞれ特徴が違います。
ピストンは筒状のシリンダーの中をピストンが行き来することで通る管を変更します。ロータリーと比べて動きが軽くメンテナンスも比較的簡単。ただ、ロータリーより指の移動距離が長くなりがち。吹奏楽で使われる楽器では主にトランペット、ユーフォニアム、チューバなどで使われます。
ロータリーはピストンより大き目の筒の中をロータリーが回転することで通る管を変更します。ピストンと比べて動きが重く早い動きは苦手。メンテナンスも初心者は自分ではできない(しちゃいけない。初心者はオイルを差すぐらいしかできない)。吹奏楽で使われる楽器では主にホルン、トロンボーン、チューバなどで使われます。
その他にもバルブの種類はありますがここでは割愛します。
バルブの数によってその楽器の機動性や音域に影響します。ほとんどの楽器で3つのバルブを使いますが、さらにバルブを加えた楽器もあります。トランペットではピストンもしくはロータリーがそれぞれ3つついています。吹奏楽ではピストンの楽器を使うことがほとんどです。
ホルンでは基本はロータリーが3つですがBbシングルホルンでゲシュトップキーと呼ばれるゲシュトップ奏法によって変化した音程を補正するためのロータリーがついています。ダブルホルンではF管、Bb管の切り替え用のロータリーがついています。
テナートロンボーンではバルブは無く、テナーバストロンボーンでロータリーが1つ、バストロンボーンで2つついているのが一般的です。バルブの数だけ低い音域を出すことができるということです。
ユーフォニアムはピストン3つが基本ですが4つ目のピストンがついている楽器も多いです。4番ピストンによって低音域が出せるようになります。4番ピストンは3番ピストンの隣に配置されている楽器と楽器の側面に配置して左手で操作するようになっているものがあります。
チューバはピストンまたはロータリーが4つついているものがほとんどです。ピストンの楽器とロータリーの楽器では構造が若干違うので音も違います。ロータリーの楽器にはもう1つか2つロータリーがついたものもあります。どれも音程の補正に活躍しますが吹奏楽ではあまり使われているのを見ません。
作編曲家がバルブを指定することはほとんどありませんがトランペットやチューバなどはピストン、ロータリーの両方に使われる可能性があるので注意します。特にチューバではバルブの違いはすなわち楽器のタイプ(音)が違うことを意味します。またトロンボーンはロータリーがついているかどうかで出せる音域に違いがあるので考慮すること。
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